コンプライアンスとデジタルリテラシー -【1】-

広がるソーシャルメディアの利用

Youtube 、Twitter、InstagramなどのSNS(ソーシャルメディア)は誰でも簡単にアカウントを取得でき、手軽に使うことができるツールとして、もはや生活の一部になっています。主なソーシャルメディア等の利用率を2016年度と2021年度で比較したところ、幅広い年代へと利用が広がっていること、特に中高年による複数のSNSを利用が拡大していることが分かります。

「平成28年/令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」よりアンビシャス作成
※Google⁺は2019年サービス終了、Tiktokは2017年サービス開始(日本国内)

SNSコンプライアンス対策の重要性

このような状況下、企業や組織にとって、SNSにおけるコンプライアンス対策は非常に重要で欠かせないものになっています。たとえ、従業員個人のアカウントでSNS上に発信した内容であっても、場合によっては所属する企業や組織にまで影響が及び、事業に大きな支障をもたらしかねません。また、「使用者責任」について定めた民法の第715条では、事業の執行中における従業員の不法行為に由来する損害について、使用者側が賠償責任を負うことが定められています。条件により全てが該当するわけではありませんが、該当した場合雇い主側の企業に直接的な過失がなくても損害賠償などの請求をされてしまう可能性も否定できません。

一般的に“法令順守”と訳されるコンプライアンスですが、誰でも簡単に投稿でき閲覧できるSNSにおいては、倫理、モラル的な「社会通念」の重要度が高まっており、SNSユーザーの反応は、よりセンシティブになっているように感じられます。

企業や組織は、従業員本人に対する、SNSコンプライアンス順守の意識醸成を図るとともに、SNSポリシーの策定、リスク管理・対応策策定などが求められています。次号では、SNS炎上事例の紹介と具体的な対応策を検討していきます。

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