オンライン採用活動の普及により重要性を増す適性検査
オンラインでの採用活動が急速に普及
大手人材紹介会社JAC Recruitment Japanが2020年4月に実施(N=336)した「オンライン面接の導入・実施状況」のアンケート調査結果によると、オンラインで採用面接を行っている企業は70%、うち55%は新型コロナウイルス感染拡大(COVID-19)をきっかけに導入。さらに、オンライン面接を行う企業の42%は、1次面接から最終面接までの全ての選考をオンラインのみで行ない、採用までの意思決定を行なうとの回答で、オンライン採用がかなり普及していることが伺えます。
オンラインでの採用は、「面接地から遠隔にいる人とも面接ができる」、「時間や移動費などの削減・効率化」などがメリットとして挙げられますが、一方で、「候補者の表情や仕草などの非言語情報が判断しづらい」など、対面での面接と比べてミスコミュニケーションが起きやすい状況にあります。面接で重要な判断材料となる、瞬間的に反応が起こる細かい表情の変化や仕草が分かりづらい、通信上多少のタイムラグがあり話をしづらいと感じられる面もあり、オンラインでの面接で採用の可否判断を行なうことは、かなり難易度が高いと言えます。
適性検査を活用することでミスマッチ防止へ
このような状況下、改めてその役割が注目されるのが適性検査です。新卒・中途採用問わず、今や多くの企業で導入されている適性検査ですが、性格や能力などが診断でき、面接受けた印象を適客観的な視点で見極めることができるツールです。
オンライン採用活動においては、適性検査を上手に活用することで、補完的・客観的な判断をすることができます。ただし、適性検査には目的別に大きく分類されます。まずはどのような目的で活用したいのかを明確し、適性検査それぞれの特性を見極めた上で、導入することが望まれます。
▼適性検査分類
① 性格検査・・・性格やタイプを見極める
② 能力検査・・・基礎学力や論理的思考力などを見極める
③ 興味・指向適性検査・・・興味や関心を見極める
名称 | 提供 | 分類 | 概要 |
内田クレペリン検査 | (株)日本・精神技術研究所 | ① | 一列に並んだ一桁の数字を、左から右へ順に足し算していくテスト。1分ごとに次の列に移り同じ作業を繰り返す。「処理能力の程度」「性格・行動面の特徴」が把握可能。 |
SPI3 | (株)リクルートマネジメントソリューションズ | ①② | SPIはSynthetic Personality Inventory(総合適性検査)の略。性格特長、能力、組織適応性、面接チェックポイントなど が把握可能。 |
PETⅡ | (株)ベクトル | ①② | 組織人材としての適性を多面的視点(組織人としての価値観・適性、ストレス耐性、組織文化適合度)から診断。メンタル面の強弱も図ることが可能です。 |
GATB | (一社)雇用問題研究会 | ② | 9つの「適性能」(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を測定。 |
VPI職業興味検査 | (株)日本文化科学社 | ③ | 6つの興味領域(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)に対する興味の程度と5つの傾向尺度(自己統制、男性-女性、地位志向、稀有反応、黙従反応)がプロフィールで表示。 |