コンプライアンスとデジタルリテラシー -【3】-
SNSリテラシーの醸成
企業の公式SNSアカウントであれば、限られた運用担当者間での投稿ポリシーの徹底順守や投稿前のダブルチェックなど、仕組みで管理可能な部分もあります。しかしながら、従業員の個人アカウントの炎上事件であっても、企業は無関係ではいられません。
企業としてはやるべきことは、「SNS運用ガイドライン」を作成し、さらにガイドラインに基づいた研修を全社員に繰り返し実施することも重要です。
実際、「炎上させよう」と悪意を持ってコメントするというよりも、むしろ正義感や利他的な気持ちで行っていることが最近のデータ分析で分かってきています。
コロナ禍を契機に幅広い年齢層にSNS利用が広がっています。思いつきで書いてしまった言葉がそのまま拡散され、炎上につながる可能性があることを十分認識することが第一歩です。SNSの書き込みは集団極性化や没個性化によって極端な方向に流れやすいことを念頭に置き、発言の内容に感情的に巻き込まれず、冷静さを保つのが大切です。
SNSを利用する従業員一人ひとりが注意すべき7項目
前号でSNSのユーザーが幅広い年齢層に広がっていることを紹介しましたが、今では年齢を問わず誰でも炎上するリスクを持っています。個人アカウントや匿名であっても、あらゆる痕跡から個人情報は特定されるものと考えて、SNSのリスクを認識する必要があります。
その拡散スピードの速さ故に、従来の社内体制では対策が追いつかないことも容易に想像できます。過去に炎上した事例を通じて、どこにリスクがあり、どのような対策を取るべきかを検討していくことが必要で、企業は炎上を未然に防ぐための努力をしつつ、リスクが発生したとき最小限に抑えるということがポイントになります。次号ではどのような対策があるのか、具体的に検討していきます。