いまだからこそ、最大限活用したい人事評価制度-1

人事評価制度が必要とされる背景

少子高齢化による生産人口の減少、AI・技術革新、グローバル化など昨今の企業を取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しています。このような状況下、同一労働同一賃金、長時間労働の是正、高齢者の就労促進、海外人材の受け入れなど、政府主導による一連の働き方改革が強力に推進されており、企業のみならず従業員も大きな変革の渦中にいます。

足元の人手不足感は続いており、いかに従業員一人ひとりのパフォーマンスを向上させ、労働生産性を上げていくか、人材マネジメントが非常に重要になってきています。従業員自身に事業環境変化を理解し、当事者意識をもって主体的に行動するための意識改革・行動変革をいかに促すか、そのためにこそ人事評価制度を十二分に活用し、人材育成につなげていくことが大切です。

「人事評価制度」の本質・・差をつけることではない

産労総合研究所が実施した「2016年 評価制度の運用に関する調査」(調査対象:上場企業および会員企業から任意に抽出した約3,000社)によると、95%が「評価制度がある」と回答。各地方公共団体においても、「平成26年改正法」により、平成28年4月より人事評価制度の導入が義務付けられ、能力・実績に基づく人事管理の徹底を図ることとなっています。また厚生労働省では、人材不足の解消を目的に「人事評価改善等助成金」制度が平成29年4月から始まっています。このように官民、事業規模問わず「人事評価制度」への取り組みが進められている一方で、人事評価に対する従業員の満足度は依然として高くないことが様々な調査結果からも明らかになっています。

アデコ株式会社が2018年に20代~60代の働く人を対象(有効回答1532人)に実施した「働く人の人事評価制度に関する意識調査」では、勤務先の評価制度に不満を持つ人が6割以上という調査結果となり、その半数以上が「評価基準の不明確さ」を不満と感じる理由として挙げています。また、評価者(上司)の約8割が自分の部下への評価は適切としているが、一方で、適切とは思わない理由としては、「数値化しにくい業務への評価がしにくい」、「評価基準があいまいなため、適切に評価できない」という回答が5割を超えており、評価者・被評価者で「評価基準のあいまいさがネック」となっているのが伺えます。

そもそも評価の本質は、差をつけることが目的ではなく、企業の方向性や理念を伝え、従業員に望む姿勢や行動を共有することで、従業員自身の成長を促すことです。それが組織の活性化や業績向上へと連動しています。会社と従業員、評価者と非評価者の間で意識や認識のギャップを解消するにはどうすべきか。人事評価の研修、面談実施等これまでもさまざまな取り組みを行いながらもなかなかうまくいかない。そのような課題を解決するために、アンビシャスは、「人事評価ゲームSCALA」を自社開発しました。カードゲームを使うことで、短時間かつ明確に人事評価を理解し、評価基準を合わせることができます。「人事評価ゲームSCALA」については次号で詳しくご紹介します。

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