
大手企業から広がる、産休・育休に関する新しい制度
育児休業取得率向上へ向けて
2023年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」で男性の育児休業取得率の目標が引き上げられました。取得率向上の一環として、2024年12月17日に令和6年度の補正予算が成立し、代替社員手当を支給している中小企業への支援「両立支援等助成金」が拡充し、対象が従業員数300名以下の企業へも広がるなど、政府の本気度が感じられます。
●育児休業取得率

●参考資料 ・・「両立支援等助成金」 厚生労働省ホームページより
https://www.mhlw.go.jp/content/001356071.pdf
先行する大手企業の応援手当とは?
2023年頃から大手企業の一部では、産休・育休を取得する従業員本人だけではなく、その部署や周囲の従業員に対して、「応援手当」や「業務フォロー手当」などの特別手当やインセンティブを付与する制度を新設する動きが出ています。
現実の職場内では、マタニティーハラスメント(マタハラ)や逆マタハラといった言葉が生じるように、育児休暇を取得する際、育休を取得する側の従業員には、「迷惑になるのでは?」、「復帰後の仕事への影響があるのでは?」という不安や、周囲の従業員には、「業務量・負担が増える」といった不公平感があるという声が聞かれます。
人手不足、採用難が続く状況で、即、都合よく人的補充がされることは常ではありません。「応援手当」や「業務フォロー手当」は、企業にとっては育休に入る人が職場に気兼ねなく休めて、職場を支える同僚も快く送り出せるようにといったことを目的ですが、職場の相互支援文化の醸成、育休取得へのポジティブな意識の醸成、離職防止と人材定着、企業イメージの向上と様々な相乗効果が認められています。また産休育休に限らず、介護休暇など対象を広げ、幅広い従業員を対象とすることで全社的なエンゲージメントを高める効果が期待できます。大手企業の事例を参考にしながら、国の制度を活用してみてはいかがでしょうか。
●各社の制度概要
大和リース(株) | 制度名 | サンキューペイ制度 |
概要 | 育児休業を取得した職員の仕事を代わりに支えた従業員(正社員のほか契約社員などを含むすべての 従業員が対象)へ賞与(ボーナス)を再分配する | |
参考資料 | g_release_20231212.pdf | |
三井住友海上火災保険(株) | 制度名 | 育休職場応援手当(祝い金) |
概要 | 社員が育児休業を取る際に、職場の人数規模等に応じて育児休業取得者本人を除く職場全員に、 3,000円~最大100,000円の一時金を給付する | |
参考資料 | 0317_1.pdf | |
(株)タカラトミー | 制度名 | 休業・短時間勤務応援手当 |
概要 | 育児や介護に励む社員に対して周囲が気持ちよくサポートできる環境を整えるために、業務をカバーする社員に「応援手当」を支給する制度 (試験導入) | |
参考資料 | 従業員のウェルビーイングの向上|多様な人財の活躍|サステナビリティ|タカラトミー | |
沖電気工業(株) | 制度名 | 育休サポート報奨金 |
概要 | 1ヵ月以上連続の育児休職および休暇を取得した社員(男女問わず)1人につき最大10万円を、当該育休の取得をサポートした社員に分配して支給 | |
参考資料 | 「育休サポート報奨金」など、育児と仕事の両立支援制度・施策を複数導入|プレスリリース|OKI | |
九州電力(株) | 制度名 | 育児サポート応援金 |
概要 | 1か月以上の育児休職取得者が所属する従業員に対して、半期毎に「育児サポート応 援金」を支給 | |
参考資料 | td_V5inDbyu.pdf | |
(株)コスモスモア 現:(株)GOOD PLACE | 制度名 | 子育て休業応援手当 |
概要 | 子育てのため※1の休業を取得する者の担当業務を引き継ぎ、業務が増加する従業員への対価として、引き継ぎ者※2に最高10万円/月の手当を支給(支給期間は最大6ヶ月) ※介護のための休業の場合も利用可能 | |
参考資料 | 報道関係者各位 | |
大阪市 | 制度名 | ー |
概要 | 本来の採用計画とは別に、正規職員約100人を採用し、育休取得者がいる職場に配置 | |
参考資料 | https://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20240115-OYTNT50177/ |