
教育研修の実態 -④-
日本企業が置かれている現状(まとめ)
日本が諸外国と比較して「GDPに占める企業の能力開発費用の割合」が著しく低いこと、労働者自体も自己研鑽・自己投資へ消極的なこと、さらに実は日本企業が重視しているOJT実施率もOECD平均を下回っているというデータを確認しました。
また、日本は「必要なスキルを持つ人材の確保が困難である」と回答した企業は85%と、国際的にみても41カ国・地域の中で最も深刻な事態となっています。労働環境が大きく変化する中、労働者はより良い条件を提示する企業への転職も厭わなくなっています。かつては「35歳転職限界説」と言われていましたが、「リクルートエージェント」の転職者データでの分析では、ミドル世代(40~50代)の転職が増えており、2014年を1.0とすると、2024年は6.05と、約6倍に増加。全体3.10と比較しても高い伸び率であることが分かります。
人材育成・能力開発と離職率との関係性は?
離職率の高止まりや採用競争の激化を考えれば、労力コストをかけて能力開発しても、より良い条件へと転職されてしまうのではないか、そんな懸念も頭をよぎります。ですが、厚生労働省「平成30年版労働経済の分析」では、計画的なOJTやOFF-JTを実施している事業所では、従業員の離職率が低い傾向があると分析しています。


別の資料では、能力開発費の増加は生産性や離職率に良い影響を与えていることが分かります。ここでのポイントは、「やり方の見直し」のようです。次回検討していきます。
グラフ_1 『人材育成・能力開発のやり方の見直しと生産性』
対象:3年前と比較して正社員の能力開発費が高くなっていると回答した企業 (1)人材育成・能力開発のやり方の見直しができている群とできていない群 (2)3年前と比較して労働生産性が「低下した」、「ほぼ横ばい」、「向上した」 (単位:%)

グラフ_2 『人材育成・能力開発のやり方の見直しと離職率』
対象:3年前と比較して正社員の能力開発費が高くなっていると回答した企業 (1)離職率が「想定より低い」、「適正」、「想定より高い」 (単位:%) (2)人材育成・能力開発のやり方の見直しが「できている群」と「できていない群」
