新規採用者の試用期間中に企業の取り組むべきこと

試用期間中=いつでも解雇できるわけではない!?

 今では多くの企業において設けられている試用期間ですが、きちんと運用できずに課題を感じている担当者も少なくないようです。新型コロナウイルス禍で停滞していた経済活動が再開しつつあり、4月新規採用者もようやく通常業務に移行するというタイミングの今、改めて試用期間について考えていきたいと思います。
 試用期間とは、企業が新たに採用した人材が、社員としての適性を判断・評価するため設けられているものであり、一定期間経過後に本採用するかどうかを判断することができる期間のことを言います。法律上の制限は特に定められていませんが、一般的には概ね3か月から半年が多く、1年程度になると、試用期間とは認められないケースもあるようです。
 下記表の通り、試用期間といえども、いつでも自由に解雇できるわけではありません。試用期間内での採用見送りや解雇は、確かに本採用後の通常の解雇よりは多少要件が緩和されがちとは言え、客観的な合理性・社会的な相当性は求められます。試用期間の本来の目的遂行のためにやるべきことがあります。

試用期間中の判断基準を定めることでミスマッチを防止

試用期間が終了し、本採用後に「ミスマッチ人材についての相談」が実際に多く寄せられます。入社後、なんとなく違和感がありながらも、そのうち改善されるだろうと期待したり、せっかく採用したのだから、採用されたのだからと、我慢したりと、企業、新規採用者側の双方何も行動を起こさずにやり過ごした結果、事態が表面化したというケースは他人事ではありません。試用期間中の判断基準を設けていないという企業は少なくないのです。

採用のミスマッチ防止のためにも試用期間中の判断基準を明確に具体的に定めることをお勧めします。また、試用期間を設けるにあたっては新規採用者に対しても、どのような場合に本採用に至らないかを明確に伝えることが必要となります。その場合に、目に見える形の目標を設定することが重要です。

勤怠の状況、勤務態度、履歴書や職務経歴書に経歴詐称といった虚偽があった場合には、解雇が認められることもあります。試用期間終了時に到達すべき水準や目標を明確にした上で、下記のようなフローを設定し、双方納得の上、きちんと運用することで、ミスマッチやトラブルを防止したいものです。

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