インターンシップとこれからの採用活動
日本におけるインターンシップの現状
インターンシップとは、アメリカで100年以上前に始まった仕組みであり、高度専門知識を持った大学生が、工場等現場に入りアドバイスすることで生産性向上に一役買ったということが始まりと言われています。
一方日本においてインターンシップが認知されたきっかけは、1997年(橋本内閣)閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」において、「インターンシップ(教育の一貫として行われる学生の企業研修)についての支援」が盛り込まれたことだと言われています。
当時はバブル崩壊後の氷河期時代真っ只中ということもあり、ほとんど導入する企業がなかったようですが、2021年3月に公表された、株式会社ディスコ実施「インターンシップに関する調査」(対象:2021年3月卒業予定の全国の大学3年生N=794)を見ると、ここ10年の間に徐々に浸透し、2021年では約9割の学生がインターンシップに参加、多くが短期間の実施ということが分かります。
定義されたインターンシップのあり方と、これからの採用活動
多くの企業の実態として、「インターンは本選考には関係ありません」としながらも、学生のスクリーニングの機会の一つとして活用しているのが実態ではないでしょうか。この曖昧な状況が就職活動をしている学生に不安や懸念を抱かせているのも事実です。現在多くの企業が実施している短期間のインターンシップは、今回の報告書の定義に則せば「オープン・カンパニー」と見なされ、インターンシップには該当しないことになります。
急速な事業環境の変化、少子高齢化等を背景に、新卒一括採用の是非が問われてきました。新型コロナ感染症拡大という想定外の事態の中、通年採用やグローバル採用を含めて採用方法も抜本的に検討を始めるタイミングが来ているようです。
採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2020年度報告書「ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進」より抜粋