コンプライアンスとデジタルリテラシー -【2】-
炎上とはなにか
そもそも「炎上」とはなにか。総務省の「令和元年版情報通信白書」では、以下の通り説明されています。
ネット炎上は、スマホやタブレットなどのモバイル端末とSNSが広まり始めた2011年頃から増加し始めました。今では、インターネット上で炎上した企業等の謝罪文を、メディアを通じて毎日のように目にする機会があります。
このようにSNSで気軽に発信したつもりでも、それにとどまらず、発信した当人のあずかり知らぬところで、あらゆるメディアで複製され取り上げられて、加速度的に拡散されていくのが特徴です。一度発信されると止めることは非常に難しいのも大きな特徴です。例え個人アカウントからの発信であっても、まず個人の特定、その後、所属企業や団体などが割り出されることになり、一人の従業員の何気ない投稿であっても、内容によっては企業が謝罪に追い込まれるというのが、もはやパターン化しています。
情報拡散のスピードは凄まじいものがあります。展開スピードが速いのですが、対応が後手に回れば、更なる炎上を招く事態となりかねません。
炎上した事例を知る
SNSで炎上・謝罪した事例
前号でSNSのユーザーが幅広い年齢層に広がっていることを紹介しましたが、今では年齢を問わず誰でも炎上するリスクを持っています。個人アカウントや匿名であっても、あらゆる痕跡から個人情報は特定されるものと考えて、SNSのリスクを認識する必要があります。
その拡散スピードの速さ故に、従来の社内体制では対策が追いつかないことも容易に想像できます。過去に炎上した事例を通じて、どこにリスクがあり、どのような対策を取るべきかを検討していくことが必要で、企業は炎上を未然に防ぐための努力をしつつ、リスクが発生したとき最小限に抑えるということがポイントになります。次号ではどのような対策があるのか、具体的に検討していきます。