介護休業の状況について‐【3】-
仕事をしながら介護に直面する従業員の実情・3つの特徴?
日本総研の調査によると、勤め先(上司や人事)に家族の介護状況(介護要因や介護の程度など)について、9割近くは伝えているとの回答も、伝えることによるリスクや不安を抱くために伝えられない人も1割強います。2024年の集計では平均55.0ヶ月(4年7ヵ月)と、介護期間が中長期に及ぶ実態も見えてきました。介護の状況や程度も一定ではなく、精神的、肉体的、経済的な負担感もケースバイケースで異なります。だからこそ、勤め先や周囲の、介護に関する知識や理解がとても重要です。
◇仕事と介護の両立を巡る従業員の実情◇
- 自身の介護状況開示への消極性
- 介護状況が個々人によって多様かつ可変であり、将来予測が困難
- 肉体的負担に加えた精神的負担の増加

▶勤め先(上司や人事)に伝えていない理由
- 伝えたとしても勤め先からのサポートが期待できないから(33.3%)
- 勤め先からのサポートを求めていないから(32.0%)
- プライバシーを守りたいと考えているため(30.7%)
- 自分で何とかできると考えているため(30.0%)
- 職場に迷惑がかかるかも知れないから(16.7%)
- 勤め先から心無い言葉を言われるかも知れないから(13.3%)
- 職場の業過に悪影響が出るのではないかと心配しているため(13.3%)
- 職場の雰囲気や文化が介護に対して理解がないため(13.3%)
- 伝えたことで仕事のチャンスを逃すかもしれないから(12.7%)
| [グラフ]:「Q13. 勤め先への介護の報告状況」 [出 典]:(株)日本総合研究所「ビジネスケアラー・ワーキングケアラー、 特に認知症家族介護者の実態・意識等調査」 |


| [グラフ]:「〈図表Ⅱ-56〉介護期間」、〈図表Ⅱ-62〉介護費用(月額) [出 典]:(公財)生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」 |
介護制度「利用者が増えない」=「ニーズがない」ではない
仕事と介護の両立支援制度は、なかなか利用者が増えないという実態もあり、企業にとっては優先度高く検討できていない、先送りになっているというケースもあるでしょう。介護当事者としては、勤め先に伝えていても、具体的にどんな制度を活用できるのか分からない、また、周囲の理解が得られないのではないかという思いが伺えます。

介護制度は「利用者が増えない=ニーズがない」ではなく、誰でも介護する当事者になりえるということを前提に、どうしたら使いやすい制度になるのかを今一度検討するタイミングに来ているのではないでしょうか。株式会社ジャパネットホールディングスは、正社員・契約社員などを対象に介護関連制度を拡充したというニュースリリースを2025年12月2日に出しました。(介護休業を通算2年まで延長へ ~介護関連制度拡充で従業員の「働き続けたい」をサポート~ | ジャパネットグループサイト)
誰でも突然当事者になりうる介護ですが、介護に限らず、育児や病気療養、リカレントなど様々な理由で従来通りのフルタイムではない働き方を望む人も少なくない時代になってきました。どのような背景や状況でも、一人ひとりの社員が安心して働き続けられる職場づくりは、企業にとっても人材流出防止策や人材採用力強化の一環として、ひいては事業の持続可能性へとつながります。すでに色々な企業で両立支援の試みがなされているようです。